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お知らせ

ハンディファンの風で目が痛い・ゴロゴロする方へ

目に風を当て続けると「角膜びらん」を起こすことがあります

暑い季節には、ハンディファンを顔に向けて使う方が増えます。

手軽に涼しくなれる便利な道具ですが、目に風を長時間当て続けると、目の乾燥だけでなく、角膜の表面に傷ができることがあります。

ハンディファンを使った後に、

  • 目が痛い
  • ゴロゴロする
  • 涙が止まらない
  • まぶしくて目を開けにくい
  • 急にかすんで見える

といった症状が出た場合は、単なるドライアイではなく、角膜上皮が傷ついている可能性があります。

目の表面は涙の膜で守られています

黒目の表面にある透明な組織を「角膜」といいます。

角膜のいちばん外側は、「角膜上皮」という薄い細胞の層に覆われています。皮膚とは異なりますが、外部の刺激から目を守る、皮のような役割をしています。

さらに、その角膜上皮の表面を薄い涙の膜が覆っています。

涙には、

  • 角膜の乾燥を防ぐ
  • 目の表面を滑らかにする
  • まばたきによる摩擦を減らす
  • ほこりや異物から角膜を守る

といった働きがあります。

ところが、ハンディファンの風を目に当て続けると、涙の蒸発が速くなります。

涙の膜が切れた状態でまばたきを繰り返すと、乾燥した角膜上皮に摩擦が加わり、細かな傷が生じます。

さらに傷が深くなると、角膜上皮の一部がはがれることがあります。これが「角膜びらん」です。

分かりやすくいえば、眼の表面の皮がむけたような状態です。

わずか5分間の気流でも涙は減少します

人の目に風を当てて影響を調べた研究があります。

正常な目の人9人と、涙が短時間で切れる短BUT型ドライアイの人9人に、風速1.5±0.5m/sの気流を5分間当てたところ、短BUT型ドライアイの人では、下まぶたの縁にたまる涙の高さと面積が有意に減少しました。

また、まばたきの回数も増加しました。

ハンディファンを直接調べた研究ではありませんが、目に風を当て続けることで涙液が不安定になることを示す結果です。

特に、もともとドライアイのある方やコンタクトレンズを使用している方は、風の影響を受けやすいため注意が必要です。

まず行ってほしいこと

ハンディファンの使用中に目の違和感が出たら、まず目への風を止めてください。

コンタクトレンズを装用している場合は、無理に使い続けず、取り外してください。一度痛みが出たレンズを、そのまま入れ直すことは避けましょう。

また、目をこすると角膜の傷が広がることがあるため、こすらないでください。

ハンディファンを再び使用する場合は、顔の正面ではなく、首元や胸元に向けましょう。

眼科を受診した方がよい症状

次のような症状がある場合は、角膜上皮に傷ができている可能性があります。

できるだけ早く眼科を受診してください

  • 風を止めても目の痛みが続く
  • ゴロゴロ感や異物感が改善しない
  • 涙が止まらない
  • まぶしくて目を開けにくい
  • 目が赤い
  • かすんで見える
  • 同じ症状を繰り返す

当日の受診を勧める症状

  • 強い痛みで目を開けられない
  • 急に視力が落ちた
  • 片目だけ強く痛む
  • コンタクトレンズ装用中に強い痛みや充血が出た
  • 目に異物が入った可能性がある
  • 痛みとともに目やにが増えている

特にコンタクトレンズ装用者の痛みや充血では、角膜感染症との区別が必要です。自己判断で様子を見続けず、早めに眼科を受診してください。

ハンディファンは目ではなく首元へ

ハンディファンを使うこと自体が悪いわけではありません。

ただし、風を目に直接当て続けると、角膜を守る涙まで乾かしてしまいます。

ハンディファンは、目ではなく首元や胸元へ向けましょう。

涼しさを得ながら、目の表面を守っている涙も大切にしてください。

参考文献

Koh S, Tung C, Kottaiyan R, et al. Effect of Airflow Exposure on the Tear Meniscus. J Ophthalmol. 2012;2012:983182.

Abusharha AA, Pearce EI. The Effect of Low Humidity on the Human Tear Film. Cornea. 2013;32(4):429-434.

Bron AJ, de Paiva CS, Chauhan SK, et al. TFOS DEWS II Pathophysiology Report. Ocul Surf. 2017;15(3):438-510.