秋の花粉症で目がかゆい? 秋花粉・ハウスダストと、いわみ眼科のアレルギー診療
「花粉症といえば春」と思っていませんか?
実は、秋にもアレルギー性結膜炎は増えます。
2026年9月に入り、芦屋市の当院でもアレルギー性結膜炎を疑う患者さんが明らかに増えてきました。
症状も「目がかゆい」だけではありません。
目やにが増える、充血する、涙が出る、ゴロゴロする、異物感がある。
こうした症状で受診される方もいます。
秋は、イネ科、ブタクサ、ヨモギ、カナムグラなどの花粉が飛ぶ季節です。一方、室内ではダニやハウスダストの影響もあります。
さらに暖かい秋には、春の代表と思われているスギまで季節外れに花粉を飛ばすことがあります。
秋の目の不調は、意外と複雑です。
だからこそ当院では、単に「アレルギーの目薬を出して終わり」ではなく、その方が自分の症状をうまくコントロールできる状態をつくることを大切にしています。
兵庫県でも秋花粉が立ち上がっています
兵庫県立健康科学研究所の2026年9月11日更新データでは、9月6日までの1週間に、阪神間に近い宝塚でブタクサが今秋初めて検出され、ヨモギも確認されました。
イネ科花粉は県内すべての観測地点で確認されています。
つまり現在は、
すでに飛んでいるイネ科に、ブタクサやヨモギなどの秋花粉が加わってきた時期
と考えられます。
当院で患者さんの増加をはっきり感じたのは、その公式データより少し後の9月12日でした。
秋花粉はスギやヒノキと違い、河川敷、空き地、公園、道路沿いなどに生える背の低い植物から飛ぶものが多いため、地域差も大きくなります。
「県全体の花粉量」だけでなく、普段どこを歩くか、家の周囲にどんな植物が生えているかも影響します。
花粉症は「かゆい」とは限りません
アレルギー性結膜炎の代表的な症状は、もちろんかゆみです。
しかし実際の診療では、
- 充血
- 涙
- 目やに
- ゴロゴロする感じ
- 異物感
などを訴えて来院される方もいます。
そのため、
「かゆくないから花粉症ではない」
とは限りません。
反対に、
「秋だから花粉症だろう」
と決めつけることもできません。
感染性結膜炎、ドライアイ、眼瞼炎、コンタクトレンズによる角膜障害などでも似た症状が出ます。
特に、強い痛み、まぶしさ、視力低下、片眼だけの強い症状、コンタクトレンズ使用中の痛みがある場合には、自己判断せず早めに眼科を受診してください。
秋は花粉だけでなく、ダニ・ハウスダストも
秋のアレルギーを少し複雑にするのが、室内アレルゲンです。
夏に増えたダニや、その死骸・排泄物などを含むハウスダストが症状に関係することがあります。
「外に出ていないのに目が調子悪い」
「朝起きたときに症状が強い」
「掃除や衣替えのあとに悪化する」
といった場合には、花粉だけが原因とは限りません。
秋は、
外では花粉、家の中ではダニやハウスダスト
という複数の要因が重なりやすい季節です。
暖かい秋にはスギ花粉も飛びます
スギ花粉は春だけと思われがちですが、秋にも少量飛ぶことがあります。
通常、スギの雄花は秋に成熟したあと休眠し、翌春に花粉を放出します。
ところが研究では、10月の気温が高い年などに、一部の雄花が11月ごろに季節外れに開花し、花粉を放出することが確認されています。
いわゆるスギの「狂い咲き」です。
日本では近年、暖かい秋が続いています。
また、ブタクサについても海外の長期観測では、気温上昇によって花粉を飛ばす期間が長くなったことが報告されています。高いCO₂濃度で育てると花粉産生量が増えたという研究もあります。
もちろん、
「温暖化ですべての花粉が増える」
という単純な話ではありません。
植物の分布は都市化、土地利用、河川管理、草刈りなどにも左右されます。
ただ、昔ながらの「花粉症カレンダー」だけでは説明しにくい症状が出てきていることは、これから意識してよいと思います。
アレルギーは「我慢する病気」ではありません
ここからが、当院で特に大切にしていることです。
アレルギー症状には波があります。
一年中同じ強さで症状が続く方ばかりではありません。
特定の季節だけ悪くなる方。
花粉が多い日だけ悪くなる方。
掃除や外出をきっかけに症状が出る方。
人によってかなり違います。
だから当院では、その方にとってどのように管理すれば快適に過ごせるのかを一緒に探すことを大切にしています。
まずは、きちんと症状を抑えます
治療を始めたら、
「薬を出したから終わり」
にはしません。
症状が強い方では、まずしっかり治療します。
そのうえで、
かゆみは減ったか。
充血は改善したか。
目やには減ったか。
ゴロゴロ感はなくなったか。
治療によって実際に症状が改善したかを確認します。
薬にも相性があります。
ある方にはよく効く薬でも、別の方には十分でないことがあります。
まずは自分にとってきちんと効く治療を見つけることが大切です。
効く方法が分かれば、その後は少しおおらかに
治療効果が確認でき、
「この薬をこのように使えば、自分は楽に過ごせる」
という方法が分かれば、毎回細かく管理する必要はない場合もあります。
当院では、症状や経過を確認したうえで、必要に応じて自分に合った薬を手元に確保し、症状が出始めたら早めに対応できる状態を目指します。
アレルギーは、
「悪くなるまで我慢して、限界になったら治療する」
よりも、
「そろそろ来たな」と分かる段階で早めにコントロールする
方が楽に付き合えることがあります。
もちろん、これはすべての患者さんに同じ管理をするという意味ではありません。
症状や眼の状態によって、必要な診察頻度や治療方法は異なります。
以前と症状が違う、薬が効かなくなった、症状が長引く、といった場合には再診して状態を確認します。
薬だけを漫然と出し続けるのでもなく、毎回ゼロからやり直すのでもない。
その方の症状の波に合わせて、無理なくコントロールできる状態を作っていく。
それが当院のアレルギー診療の基本的な考え方です。
治療の中心は抗アレルギー点眼薬です
アレルギー性結膜炎の治療では、抗アレルギー点眼薬が中心になります。
薬によって作用や1日の使用回数が異なります。
症状が強い場合には、眼の状態を確認しながらステロイド点眼などを使用することもあります。
ただしステロイド点眼は、使用によって眼圧が上昇することがあります。
そのため、
「以前にもらったから」
「よく効くから」
と自己判断で長期間使い続けるのではなく、眼科で確認しながら使用することが大切です。
1日1回、まぶたに塗る治療もあります
最近は治療の選択肢も増えています。
2024年に発売された**アレジオン眼瞼クリーム0.5%**は、エピナスチン塩酸塩を有効成分とするアレルギー性結膜炎治療薬です。
特徴は、目の中に点眼するのではなく、
1日1回、上下のまぶたに塗る
ということです。
仕事や学校で何度も点眼するのが難しい方。
点眼を忘れてしまいやすい方。
目薬自体が苦手な方。
そうした方にとっては、一つの選択肢になります。
もちろん、新しい薬だから一番よいというわけではありません。
点眼が合う方もいれば、クリームが生活に合う方もいます。
大切なのは、
自分の生活の中で続けやすく、症状をきちんと抑えられる治療を選ぶこと
だと思います。
秋の目の不調を我慢しないでください
秋のアレルギーは、春より少し複雑です。
イネ科、ブタクサ、ヨモギ、カナムグラ。
ときには季節外れのスギ。
家の中ではダニやハウスダスト。
そして症状も、かゆみだけではありません。
目やに、充血、涙、異物感、ゴロゴロする感じ。
「なんとなく目の調子が悪い」というところから始まることもあります。
でも、原因が複雑だからといって我慢する必要はありません。
まず眼の状態を確認する。
必要なら症状をしっかり抑える。
自分に合う治療方法を見つける。
そしてうまくコントロールできるようになれば、日常生活をなるべく邪魔しない形で付き合っていく。
当院では、そんなアレルギー診療を目指しています。
「毎年この時期だから仕方ない」と目をこすり続けるのではなく、気になる症状があればご相談ください。
参考:兵庫県内の花粉情報
兵庫県立健康科学研究所では、ブタクサ・ヨモギ・イネ科などを含む県内の花粉飛散状況を継続して公表しています。
