いわみ眼科・芦屋眼鏡舗で考える、生活に合わせた老眼対策
「最近、スマホを少し離さないと見えない」
「遠近両用を作ったけれど、どうも使いにくい」
「老眼鏡を何本か持っているけれど、どれもしっくりこない」
老眼の診療では、こうしたご相談をよく受けます。
老眼そのものは、年齢とともに誰にでも起こる変化です。ところが、必要な老眼対策は人によってかなり違います。
近視なのか、遠視なのか。乱視はあるのか。左右差はあるのか。普段、一番よく見るのは30cmなのか、50cmなのか、それともパソコンの画面なのか。読書、スマートフォン、仕事、運転、趣味――生活によって必要な見え方は変わります。
だから、いわみ眼科では老眼を単純に、
「年齢を見て+○Dの眼鏡を処方するもの」
とは考えていません。
大切なのは、その人の眼の状態と生活に合わせて、必要な見え方を整えることだと考えています。
まず確認したいのは「本当に老眼だけですか?」
40代、50代になると近くが見えにくくなり、「老眼だから仕方ない」と考えがちです。
しかし、「最近見えにくい」という症状の原因が、すべて老眼とは限りません。
ドライアイがあれば見え方は不安定になります。乱視や近視・遠視の度数が変化していることもあります。左右の度数差や眼位、両眼視の問題が影響することもあります。
さらに年齢が進めば、白内障、緑内障、黄斑や網膜の病気などが見え方に影響している可能性も出てきます。
だから当院では、いきなり
「老眼鏡を作りましょう」
から始めるのではなく、
「この見えにくさは、本当に老眼だけで説明できるのか?」
をまず確認します。
ここは、眼科で老眼を診る大きな意味のひとつだと思っています。
老眼の眼鏡は「度数が合えば完成」ではありません
眼鏡処方というと、近視や老眼の「度数」が一番大切に思えるかもしれません。
もちろん度数は重要です。しかし、とくに遠近両用眼鏡では、それだけでは十分ではありません。
たとえばPD、つまり瞳孔間距離があります。
人の顔は完全な左右対称ではありません。鼻の中心から右眼までの距離と、左眼までの距離が同じとは限りません。
そのため必要に応じて、単純な「左右合わせたPD」だけではなく、右眼・左眼それぞれの単眼PDを確認します。
遠近両用レンズでは、一枚のレンズの中に遠方・中間・近方を見る領域が配置されています。
そのため、瞳孔位置やフィッティング高さ、フレームの位置、レンズ設計などが合っていないと、視線が本来使うべき場所を通りにくくなります。
すると、
「遠近にすると気持ち悪い」
「近くが思ったほど見えない」
「階段が怖い」
「首を動かさないと見えない」
といった違和感につながることがあります。
つまり、遠近両用眼鏡は、正しい度数を入れただけでは完成しません。
実際に使う人の眼と顔、フレーム、生活に合わせて仕上げる必要があります。
いわみ眼科と芦屋眼鏡舗が隣接する意味
いわみ眼科には、併設眼鏡店として芦屋眼鏡舗があります。
芦屋眼鏡舗の店長は、もともといわみ眼科で勤務していた視能訓練士であり、さらに眼鏡作製技能士の資格も持っています。
眼の検査を理解する専門職と、眼鏡を作る専門職。その両方の視点を持っていることは、老眼や遠近両用を考えるうえで大きな強みです。
さらに、芦屋眼鏡舗には眼鏡の仕事に50年以上携わってきたベテランスタッフも在籍しています。
眼鏡は、数字だけでは決まりません。
同じ度数でも、フレームの形、鼻への乗り方、眼とレンズの距離、フレームの前傾、顔への沿い方、姿勢、普段どこへ視線を動かすかによって、使い心地は変わります。
こうした部分には、測定機器だけでは置き換えにくい経験知があります。
眼科で眼の状態を確認し、必要な度数や視機能を評価する。その結果をすぐ近くで眼鏡の専門家と共有し、実際に使える眼鏡へ落とし込む。
これが、いわみ眼科と芦屋眼鏡舗を一緒に利用していただく意味だと考えています。
「何が見えませんか?」だけでなく、「何を見たいですか?」
老眼相談で、私たちが大切にしていることがあります。
それは、単に
「何が見えませんか?」
と聞くだけではなく、
「普段、何を一番よく見たいですか?」
と考えることです。
たとえば、一日中パソコンを使う方と、車の運転が中心の方では必要な眼鏡は違います。
読書が趣味の方、スマートフォンをよく使う方、料理をする方、楽譜を見る方、細かな手作業をする方でも、それぞれ重要な距離は違います。
パソコンと書類を見る時間が長ければ、遠近両用より中近眼鏡の方が楽なことがあります。
手元作業だけを広く見たいなら、近用単焦点眼鏡が適していることもあります。
遠くから近くまで一本で対応したいなら、遠近両用眼鏡が候補になります。
できるだけ眼鏡を減らしたい方には、眼の状態や生活によって、多焦点コンタクトレンズなどを検討できる場合もあります。
つまり、
「どの眼鏡を買うか」から始めるのではなく、
「どんな生活をしたいか」から道具を選ぶ。
これが、私たちの老眼対策の基本です。
「遠近両用が合わなかった」で終わらせない
以前、遠近両用眼鏡を作ったけれど、
「全然合わなかった」
という方もいらっしゃいます。
しかし、一度うまくいかなかったからといって、
「自分は遠近両用が使えない人なんだ」
と決めてしまう必要はありません。
原因はいくつも考えられます。
度数や乱視が合っていなかったのかもしれません。加入度が生活に対して強すぎたり弱すぎたりしたのかもしれません。レンズ設計が用途に合っていなかった可能性もあります。
単眼PDやフィッティング高さ、フレームの位置が影響していることもあります。
あるいは、そもそもその方の生活には「遠近両用」より「中近」の方が合っていた、ということもあります。
「遠近が合わない」という一言を、もう少し分解してみる。
そのために、
眼を測る → 生活を知る → 道具を選ぶ → 実際に合わせる
という順番が重要になります。
既製老眼鏡や安い眼鏡が悪いわけではありません
ここも誤解のないようにしておきたいところです。
価格が安い眼鏡だから悪い、ということではありません。
左右差や乱視が少なく、短時間の読書など用途が限られている方なら、既製老眼鏡が便利に使えることもあります。
一方、既製品では左右の度数差や乱視、単眼PD、普段の作業距離などまでは個別に合わせられません。
ですから、
「文字が読める」ことと、
「その人の生活に最適な見え方になっている」ことは別
と考えています。
とくに長時間使う眼鏡や、遠近両用、中近・近々眼鏡などでは、生活に合わせた処方とフィッティングの重要性が高くなります。
老眼の先には、白内障の年代もやってきます
老眼は40代頃から意識する方が増えますが、眼の状態はその後も変化していきます。
50代、60代、70代と年齢を重ねれば、白内障が加わる方も増えてきます。
すると、
「最近また老眼鏡が合わなくなった」
と思っていたものが、実は老眼の進行ではなく、白内障によって水晶体そのものが変化していたということもあります。
白内障手術を受ければ、今度は眼内レンズが入ることで、屈折のスタート地点そのものが変わります。
手術後には、その新しい眼の状態に合わせて眼鏡を考え直す必要があります。
さらに、緑内障や網膜・黄斑の病気がある場合には、「度数さえ合わせれば全部くっきり見える」とはいかないこともあります。
だから私たちは、老眼だけを切り取って考えません。
40代の老眼相談から眼鏡・コンタクトレンズ、年齢が進んだ後の白内障、白内障手術後の見え方、さらにその先の眼疾患まで。
その時々の眼の状態に応じて、必要な見え方を考えていく。
眼科診療と眼鏡をワンストップでつなぎ、幅広い年代の「見える」を支えること。
これは、いわみ眼科と芦屋眼鏡舗だからこそできることの一つだと思っています。
老眼対策のゴールは「+何D」ではありません
老眼になると、
「私は+何Dですか?」
という話になりがちです。
もちろん度数は大切です。
でも、本当のゴールは数字ではありません。
仕事が楽になった。
本を読むのがおっくうではなくなった。
スマートフォンを見るときに眼が疲れにくくなった。
運転も手元も困らない。
好きな趣味を続けられる。
そこまで含めて初めて、日常生活での「見える」になるのだと思います。
いわみ眼科では、まず眼の状態を確認し、必要な度数や視機能を評価します。
芦屋眼鏡舗では、その情報と実際の生活を結び付けて、使いやすい道具へ落とし込んでいきます。
そして年齢とともに眼や生活が変われば、また見直す。
老眼は、我慢するものではありません。
眼を測り、生活を知り、その人に必要な見え方を整えていく。
いわみ眼科と芦屋眼鏡舗では、眼科診療と眼鏡の両方から、一人ひとりの生活に合った「見える」を一緒に考えていきます。
