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院内ツアー/設備紹介

網膜のすみずみまで診る。Canon Xephillio導入

移転にあたって、私たちが特に力を入れているのが、診断の精度をさらに高めることです。その象徴が、今回導入する Canon Xephillio(ゼフィリオ) です。

眼球は“カメラ”に例えられることがよくあり、カメラのフィルムにあたるのが「網膜」です。そして、その網膜を覗く“のぞき穴”である瞳孔は通常2〜4mm、散瞳薬を使っても6〜7mmほど。とても小さな開口部から、広大な網膜全体を観察します。構造として網膜は重要ですが、観察が容易ではないという難しさがあります。

一般的な眼底写真で捉えられる範囲は中心から約50度。一方、網膜はおおよそ200度まで広がっています。しっかり観察しようとすると、中心部だけでなく周辺部まで評価する必要があります。この広い領域を撮影する技術を「広角撮影」と呼びます。

当院のNIDEK社 Mirante(ミランテ) は、広角眼底写真を撮影でき、最大163度までカバーします。上下左右に振ると最も端までの撮影ができ、非常に広い範囲の評価が可能です。3色SLO(レーザースキャン撮影)の機械ですので、表現力も豊かです。

例:ミランテ広角写真と通常写真の重ね合わせ

今回導入するCanon Xephillio は、そこに断層(3D)情報を加えます。網膜の周辺部までOCTで立体的に捉え、さらに 広角OCT angiography により、毛細血管の情報まで取得できます。糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症など、血流が関与する病態について、より多角的に観察することが可能となります。

私(院長)は網膜疾患を専門として研鑽し、大学病院勤務時代には造影検査も数多く撮影していました。抗VEGF薬の治験撮影認定を受けていた時期もあり、当時は画角50度のカメラを使い、造影剤を使用して、何十枚の撮影を行いながら評価していました。

現在は、ミランテの広角写真で1枚数秒、Xephillioの広角OCT angiographyで約40秒。技術の進歩を非常に感じます。ローテクからハイテクまで経験してきた者として、この技術を地域医療で活用できることに大きな意義を感じています

開業医という枠を越え、幅広い眼疾患の早期発見と精密評価に取り組める体制が整いつつあります。これからの診療がますます充実しそうで、スタッフ一同とても楽しみにしています。