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お子さまが学校の視力検査で引っかかったとき

こんばんは院長です。
芦屋市のおとなり、神戸市では学校視力健診が始まりましたね。
芦屋市はもう少し時間がかかるようですが、健診まえに自主的に受診される方も増えてきています。
そして、近視のお子様は増え続けています。
今日は小児の近視について、ホームページのコンテンツにもありますが、少し向きを変えて書きたいと思います。

近視進行のメカニズムについて、かなり解明されてきています。
それに伴い、進行予防のための方法も明らかになってきました。

「ものを離して見る癖をつけてください」


近視の正体は眼のサイズが大きくなる軸性近視と呼ばれるものです。
さらに、ものを近くで見る癖が強い(=調節緊張)が眼のサイズを大きくすることが分かってきました。
大事なことなので繰り返します。
「ものを離して見る癖をつけてください」

 

眼鏡をかけたら解決?いいえ、そうではありません。

眼が悪くなったら眼鏡をかけたらええんちゃうの?と思っている方も多いと思います。
それがそうでもないんです。
眼のサイズが大きくなると、やっかいな目の病気が増えると言われています。

  • 緑内障:近視が強いと数倍〜十数倍にリスクが増える報告があります。日本の失明原因トップの病気です。
  • 網膜剥離:強度近視の場合約20倍程度にリスクが増えると言われています。
  • 近視性黄斑症:黄斑部というものを見る中心の神経が障害される状態です。いくつかの状態を含みますが、治療法がないものがあります。日本の失明原因の4位です。
 
近視=目が悪い=眼鏡で解決する、ではなくて、
近視の進行=目の病気のリスクが上がる=眼鏡で解決しない、とご理解ください。
 
院長は網膜疾患を専門としています。
これらの病気の方々をたくさん診療しています。
しかし、病気を未然に防げればそれにまさることはありません。
しかも、近視は小児の間に進行します。
つまり、「学校視力検査で引っかかったときが近視治療介入のタイミング」です。
近視治療のツールとして、いずれも自費診療になりますが低濃度アトロピン処方とオルソケラトロジー治療(インタビューサイトへリンク)を行っています。
でも、ただ離して見る癖をつけるだけで改善するお子様もいらっしゃいます。
現状をきちんと評価して、眼で困るリスクを少しでも減らしていきましょう。
いつでもご相談をお待ちしています。