眼鏡は医療機器だということ、ご存知ですか?
大人んさー様に、眼鏡の記事を書かせていただきました。
Yahoo!さまにも転載されています。(文末にリンクがあります)
眼鏡なんてお金をかけるものではない、あるいはできるだけ安くて構わない、そう思っておられませんでしょうか。
実は眼鏡は「医療機器」なんです。
眼鏡はきちんと検査をしないと合わせられない医療機器
眼鏡は眼の前にレンズをかざすことでピントを調整する医療機器です。
きちんとした眼鏡合わせには以下の情報が必要です。
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遠視か、近視か、乱視か
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老視(老眼のこと、ピントを寄せる能力の低下)はどの程度か
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眼の位置ずれはないか、斜視はないか
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焦点距離(見たいものとの距離)はどうか?(パソコンと読書は距離=レンズ度数が異なる)
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鼻の高さは?耳の位置は?(これは眼鏡店の要件で、眼鏡のレンズを正しい位置に合わせるために必要です)
これらの情報をきちんと収集しないと眼鏡は合わせられません。
しかし、これらすべての目の検査ができるのは眼科だけで、そのため眼鏡は眼科で処方されるべきです。
人によって目の状態は異なり、上記の中でやはり処方が難しくなる方は多いです。
安価で手に入る眼鏡店では、一人頭にかける時間が決められているようです。
言い換えると、時間をかけるべき目の検査が疎かになっている眼鏡店が存在するということです。
合っていない眼鏡をかけているとどうなるか
まず合っていない眼鏡は目のピント調節の筋肉、姿勢に影響を与えます。
そのため、眼精疲労により頭痛や肩こり、集中力の低下を招きます。
また、見えにくさから目を使う作業のすべての時間がかかり、労働効率の低下や読み間違いも出てきます。
さらに高齢者の方々において合っていない眼鏡を使い続けると目から脳への刺激が減少し、意欲の減退や認知症への影響が出てきます。
要は生活の質が落ちるということです。
特に眼鏡の処方に気をつけるべき世代は誰か?
眼鏡の処方が難しいのは下記の方々です。
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小児:ピント調節能力が不安定で、過矯正になりやすい。合っていない眼鏡は近視の進行を招く恐れがある
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老眼世代:年齢に応じたピント調節が必要、さらに個人差も大きい。遠近両用の眼鏡は目の位置ずれの影響を強く受けやすい。
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白内障世代:眼鏡が合っていないのか、目が悪いのかは眼科医しか確認できない。白内障は50代で半分以上の方が持っている。
正直なところ、眼鏡の処方が難しくないというのは、目の特性に特に問題がない20代、30代の方々のみになります。
量販店で作られた眼鏡も、使えているように感じていても意外と負担があるものです。
外界の情報の8割が目から入ってきます。
合わない眼鏡=目に入る情報の劣化になります。
眼科医として、みなさんが合った眼鏡を使っていただければ幸いです。
当院の最寄りの眼鏡店に、眼鏡の芦屋さまがおられます。
眼鏡の技術のキモにフィッティング(正しい位置に合わせる)がありますが、私はこの店の技術をかなり信頼しています。
眼鏡の収まりが悪い方はぜひこちらに行っていただくとよいかと思います。
最後に、リンクです。
こちらの記事もご一読いただけましたら幸いです。
眼精疲労だけじゃない…受診せずに「眼鏡」作るリスクとは 眼科医が解説(Yahoo!さま)
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