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地球温暖化、気候変動とアレルギー

2024.10.16お知らせ
こんばんは、院長です。ちょっと夜ふかしをしています。
ブタクサの季節がきています。
以前より気候の変化によって花粉アレルギーが増減するのではという私見を持っておりました。
ようやくちゃんと調べなければと思い、論文を引いてみますと少し見つかりました。ご紹介したいと思います。

Recent warming by latitude associated with increased length of ragweed pollen season in central North America(Lewis Ziska et al, PNAS, 2011)

少し古い論文になります。
北米のブタクサの花粉シーズンの長さを検討したところ、1995年と2009年のデータ比較で、北緯44度以上の緯度では最大 ​​13 ~ 27 日も大幅に増加したとされています。北緯43度以南では差は出なかったようですが、寒い地域ではブタクサのシーズン延長が生じたようです。

Long-term pollen season trends of Fraxinus (ash), Quercus (oak) and Ambrosia artemisiifolia (ragweed) as indicators of anthropogenic climate change impact.(Jana Ščevková et al, Science and Pollution Research, 2024)

これは最新の論文です。
スロバキアのブタクサの花粉シーズンは、同年の夏と秋の気温と湿度の上昇により延長され、開花期間が延長され、花粉シーズンの終了が遅れました。
即ち、花粉飛散の期間が長くなったと報告しています。

Global warming, climate change, air pollution and allergies (Gennaro D’Amato et al, Allergy, 2020)

ここにしっかりまとまっていました。レビュー論文になります。
気候変動(気温の上昇、CO2濃度の上昇、湿った気候)がアレルギー性植物の成長を加速し、花粉を多く生産し、花粉シーズンが長くなり、早く飛散するようになると記載があります。
最近季節性アレルギーが苛烈になる一方だな。。と感じておりましたが、やっぱりそうなんですね。
当たり前なのですが、CO2の増加=植物の栄養の増加、になりますもんね。

花粉症は我慢すべきではない

こちらの動画を参照していただくと政府広報オンラインによる花粉対策が示されています。
パナソニックの試算によると、スギ花粉症による経済損失は1日あたり約2340億円とのことです。
スギに限らず、花粉症を我慢すると労働効率が下がることを意味しています。
花粉症は比較的、マスクや眼鏡などの生活での対応がしやすい病気です。
しっかり知識を持ち、対策を行って、それでもだめなら我慢せずに受診をしましょう。
最後に、ブタクサの写真です。