当院で心がけていること(治療効果判定について)
肌寒くなってまいりました。
お久しぶりです。院長です。
本日は診療の方針・姿勢についてです。
当院では、診療において「治療効果判定」を大切にしています。
カルテ(診療の記録)にはルールが有りまして、その中に「SOAP」方式があります。
- Subject=患者さんの訴え、主訴
- Object=患者さんから得られた客観的な情報、所見
- Assesment=病状に対して考えられた評価、診断
- Plan=実際の患者さんへの対応、治療方針
ここまでは医学部教育で教えてくれている部分です。
情報をもとに診断を行い、治療方針を決定するという考え方です。
でも、治療方針を決めたあとはどうすればいいか、その先の方法論についての指導を受けた経験はありません。医師個人の努力に依るところが大きいと考えます。
(実は医学部教育でも、研修医教育でも、我々は習っていません。)
一方、一般企業が業務改善の検討を行うための方法論としてPDCAサイクルというものがあります。
- Plan=計画
- Do=実行
- Check=評価
- Action=改善
さて、医療においてはどうでしょうか?Planの続きは?
当たり前ですが、どんな処方、治療でも万能ではありません。
Planで立てた計画の通りの治療を実行(Do)して、その後に必ず治療効果判定(Check)を行わないと、
治ったかどうか(Planが有効であったかどうか)はわかりません。
同じような症状が出た時にも以前の経験が生かされません。
ですので、
改善が得られ、治療パターンが確立できればそれの続行を、
改善が得られなければ次の一手を考えるようにしています。
昔、自分も医師の診療を受ける際に「これで様子を見てください」というものをよく聞いた気がします。
しかし、実はこの言葉は「Check(評価)」を患者さんに丸投げしてしまう態度です。
患者さん側からすれば、「どう様子を見ればいいの?」になりますよね。
また、治療効果判定が自分の経験にもつながり、よりよい医療につながるとも考えています。
兵庫医大で非常勤講師として指導も続けておりますが、後輩たちにも繰り返しこの内容について伝えております。
患者さん側からすれば、通院回数が増えてご負担が増えるであろうことも承知しております。
病状をしっかり評価し、きちんとした診療を心がけておりますのでよろしくお願いいたします。